イチゴアイスクリーム② ~ ソルベを混ぜ込む [甘いもの]
ハーゲンダッツ『ももいちご』のサイトページを見て以来、おいしい、ひと口で頬がゆるむようなアイスクリームが作りたくなった。
一度作ってみると、次はまた別の夢がふくらんでくる。おいしいだけじゃダメ。同じじゃないと。
『ももいちご』はバニラアイスにももいちごのコンポートを混ぜ込んで作られたもの。
ふつう、ストロベリーアイスはアイスクリーム全体がイチゴ色に染まっています。チョコレートアイスも、抹茶アイスも同じで材料の色付いています。
でも、『ももいちご』はアイスクリームが白い。イチゴも混ざり合っていない。自然と合わさっているだけ。
ハーゲンダッツにストロベリーアイスもあるので、一体何が違うのか比較してみます。(ハーゲンダッツのストロベリーアイスを食べたことありません)
サイトページに原材料、成分の掲載があります。
成分 (%)
原材料
比較のためリッチミルクとフランボワーズも拾いました。
ストロベリーと『ももいちご』は成分、原材料ともほとんど同じです。それなのに見た目はまったく違う。なんであんなに違うの?
作り方が違うからですね。それじゃ、どうやって違うように作っているの? ハーゲンダッツジャパンさん、教えて。。 くれるはずありません。
『ももいちご』は濃厚だけど白いバニラアイスに、ももいちごの果肉が溶け込まないで入れてある。
原材料表示から、
果肉>砂糖>卵黄
と、卵黄の量が一番少ないことは分かります。
しかし、バニラアイスで卵黄が少なすぎると、シャバシャバしてコクのない味になることは、私の経験上わかっています。
卵黄を増やせば、玉子臭ささえ抜けば、濃厚でおいしいバニラアイスができます。
卵黄は黄色です。バニラアイスで黄色くなく、コクのある味にするには、両極から始めてどっちも取れる妥協点を見つけないといけません。
卵黄のコクの変わりに、生クリームのみで濃厚にしたらどうなるかは、イチゴアイス①で実証済みです。はっきり言って不味い。
バターを加えてみる? まさか。そんな。
でも、バタークリームっておいしいし、バターを手作りすればアイスクリームに使えるのができるかも。
レーズンバターサンドを作ったときのように、
油と水分を分離させるのが得意だし。
うまく分離させれば(そんなつもりはない)、おいしいバターは簡単に作れます。
まじめなお話し、生クリームを10分以上に高速撹拌し続けると白いバターができます。
次に、イチゴのコンポートをバニラアイスに混ぜ込むと、アイスクリーム全体がイチゴ色に染まってしまう。『ももいちご』は染まっていない。
どうやったらイチゴ色じゃないアイスクリームが作れるのか?
イチゴのコンポートでソルベ(シャーベット)を作り、それをバニラアイスに混ぜれば、染まらないストロベリーアイスになるだろう、と予想する。
イチゴアイス①の反省から
1.卵黄の量を減らす。
2.イチゴのソルベをバニラアイスに混ぜる。
1.は簡単、減らすだけ。
2.はソルベの作り方を考えないといけません。
ソルベなんてまじめに作ったことないので、本『素材を愉しむアイスクリームレシピ』を参照しました。
「女峰のソルベ」があり、作り方を見るとイチゴを濾してシロップで甘さを調節、加熱しないでそのままアイスクリームメーカーにかけてあります。
コンポートにしてから作りたいので少し違います。
他のフルーツでコンポートを作ってからソルベにしてあるのは、
プラム、杏、さくらんぼ、巨峰、洋ナシ。
生のままかコンポートから作る違いの理由は?
解説を読んでいくと、コンポートにしてから作るのは、
アクが強い、変色しやすい、濃厚にしたい、酸味が少ない、糖度が低いもの。
イチゴ、ベリー系でコンポートからソルベにしてあるのはのっていませんでした。
さて、工程を考えます。
1.イチゴをうらごしする。
2.砂糖を加えて煮る。
3.アイスクリームメーカーにかける。
1.と2.の順番を逆にするとまた違った味わいになると思います。今回はこの順番で。
<材料>
注2)いちごは濾した後の量ですが、砂糖の量を調節すれば、糖度を変えられます。イチゴ1パックで買ってきて重さを量り、比率を調節すると作りやすいです。
注3)この分量でイチゴ含有量23%で作ると、ソルベが少し残ります。
<下ごしらえ>
<作り方>
1.イチゴをうらごし器で濾す。
メッシュ粗めのでうらごします。もっと粗いのがよかったけれど、持ってないので力ずくで濾した。
けっこう力が要ります。
イチゴの香りがムンムン。
2.果汁(果肉含む)にグラニュー糖を加えて、強火で沸かす。
果汁が300gあったので、グラニュー糖36.8gを加えて火にかけます。
沸騰させただけなので、総重量はほとんど減っていません。糖度は約20。
ボールに移してアクを取る。
これじゃあコンポートじゃない! って言われても、素人なのでお許しを。
3.コンポートにフランボワーズを加え、冷やしてアイスクリームメーカーにかける。
ソルベはアイスクリームより早く出来上がります。
少し食べてみると、酸っぱ~い! 糖度低すぎ。 こんなの食えない!
冷凍庫に入れて保管しておきます。
4.牛乳と生クリームを鍋に入れて弱火で加熱、沸かして殺菌する。
沸いたら火を止めてバニラエクストラクトを加えます。
5.卵黄にグラニュー糖を加えながら泡立てる。
6.泡立てた卵黄に、牛乳と生クリームを少しずつ加えて混ぜる。
玉子が煮えてしまわないよう、少しずつ混ぜる。
7.鍋に戻してとろみがつくまで弱火で煮る。
ゆっくりかき混ぜながら、ふつうは83度まで温度を上げます。玉子が煮えないよう、絶えず混ぜ続け、5分くらいかけて煮ます。
玉子が多いときはもっと時間をかけて、玉子の臭みを抜くように煮ます。10分、15分は必要です。
8.アングレーズソースを冷やして、アイスクリームメーカーにかける。
9.バニラアイスがある程度固まってきたら、イチゴソルベをくずして混ぜ、アイスクリームメーカーを再び動かす。
150gを量って入れます。
緊張の瞬間。中に溶け込むんじゃないぞ!
あらら、バニラアイスがイチゴ色に染まってしまいました。あれほど溶け込むんじゃないぞと言ったのに。
味?
砂糖が少なすぎて、まずい。な~んにも味がしない。イチゴの香りもしやしない。
しかし、せっかく作ったもの。食べ物は粗末にしてはいけない。こういう場合の対処法があります。下の方に写真を貼ります。
<考えられる失敗した原因>
1.イチゴを濾してから、コンポート、いや液体を加熱した。
2.バニラアイスが十分に固まってないときに、ソルベを混ぜてしまった。
3.アイスクリームの温度(零下)、ソルベの温度(零度?)が違い、ソルベが負けていなくなった。
4.アイスクリームにソルベを混ぜること自体間違っている。
当分、3号はないでしょうが(来年?)、再び挑むとしたら、
・いっそのことイチゴの果肉をつぶして、生のままバニラアイスに混ぜたい。
・冷凍イチゴを混ぜる。
・乾燥イチゴを混ぜる。
・イチゴのコンポートを作って、果肉だけをつぶして混ぜる。
・あきらめる。
振り出しに戻ってしまった。。。
ハーゲンダッツ『ももいちご』の写真が見られます。
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一度作ってみると、次はまた別の夢がふくらんでくる。おいしいだけじゃダメ。同じじゃないと。
『ももいちご』はバニラアイスにももいちごのコンポートを混ぜ込んで作られたもの。
ふつう、ストロベリーアイスはアイスクリーム全体がイチゴ色に染まっています。チョコレートアイスも、抹茶アイスも同じで材料の色付いています。
でも、『ももいちご』はアイスクリームが白い。イチゴも混ざり合っていない。自然と合わさっているだけ。
ハーゲンダッツにストロベリーアイスもあるので、一体何が違うのか比較してみます。(ハーゲンダッツのストロベリーアイスを食べたことありません)
サイトページに原材料、成分の掲載があります。
成分 (%)
無脂乳固形分 | 乳脂肪分 | 卵脂肪分 | 果汁・果肉 | |
ももいちご | 8.5 | 13.5 | 0.6 | 23 |
ストロベリー | 8.5 | 14 | 0.6 | 23 |
バニラ | 10 | 15 | 0.8 | |
リッチミルク | 9.5 | 13.5 | 0.5 | |
フランボワーズ | 26 |
原材料
ももいちご |
クリーム、脱脂濃縮乳、いちご果肉(ももいちご果肉100%)、砂糖、卵黄 |
ストロベリー |
クリーム、脱脂濃縮乳、ストロベリー果肉、砂糖、卵黄 |
バニラ |
クリーム、脱脂濃縮乳、砂糖、卵黄、バニラ香料 |
リッチミルク |
クリーム、脱脂濃縮乳、加糖練乳、砂糖、粉あめ、卵黄、食塩 |
フランボワーズ |
ラズベリー(ピューレ、果汁)、砂糖、粉あめ、安定剤(ペクチン) |
比較のためリッチミルクとフランボワーズも拾いました。
ストロベリーと『ももいちご』は成分、原材料ともほとんど同じです。それなのに見た目はまったく違う。なんであんなに違うの?
作り方が違うからですね。それじゃ、どうやって違うように作っているの? ハーゲンダッツジャパンさん、教えて。。 くれるはずありません。
『ももいちご』は濃厚だけど白いバニラアイスに、ももいちごの果肉が溶け込まないで入れてある。
原材料表示から、
果肉>砂糖>卵黄
と、卵黄の量が一番少ないことは分かります。
しかし、バニラアイスで卵黄が少なすぎると、シャバシャバしてコクのない味になることは、私の経験上わかっています。
卵黄を増やせば、玉子臭ささえ抜けば、濃厚でおいしいバニラアイスができます。
卵黄は黄色です。バニラアイスで黄色くなく、コクのある味にするには、両極から始めてどっちも取れる妥協点を見つけないといけません。
卵黄のコクの変わりに、生クリームのみで濃厚にしたらどうなるかは、イチゴアイス①で実証済みです。はっきり言って不味い。
バターを加えてみる? まさか。そんな。
でも、バタークリームっておいしいし、バターを手作りすればアイスクリームに使えるのができるかも。
レーズンバターサンドを作ったときのように、
油と水分を分離させるのが得意だし。
うまく分離させれば(そんなつもりはない)、おいしいバターは簡単に作れます。
まじめなお話し、生クリームを10分以上に高速撹拌し続けると白いバターができます。
次に、イチゴのコンポートをバニラアイスに混ぜ込むと、アイスクリーム全体がイチゴ色に染まってしまう。『ももいちご』は染まっていない。
どうやったらイチゴ色じゃないアイスクリームが作れるのか?
イチゴのコンポートでソルベ(シャーベット)を作り、それをバニラアイスに混ぜれば、染まらないストロベリーアイスになるだろう、と予想する。
イチゴアイス①の反省から
1.卵黄の量を減らす。
2.イチゴのソルベをバニラアイスに混ぜる。
1.は簡単、減らすだけ。
2.はソルベの作り方を考えないといけません。
ソルベなんてまじめに作ったことないので、本『素材を愉しむアイスクリームレシピ』を参照しました。
「女峰のソルベ」があり、作り方を見るとイチゴを濾してシロップで甘さを調節、加熱しないでそのままアイスクリームメーカーにかけてあります。
コンポートにしてから作りたいので少し違います。
他のフルーツでコンポートを作ってからソルベにしてあるのは、
プラム、杏、さくらんぼ、巨峰、洋ナシ。
生のままかコンポートから作る違いの理由は?
解説を読んでいくと、コンポートにしてから作るのは、
アクが強い、変色しやすい、濃厚にしたい、酸味が少ない、糖度が低いもの。
イチゴ、ベリー系でコンポートからソルベにしてあるのはのっていませんでした。
さて、工程を考えます。
1.イチゴをうらごしする。
2.砂糖を加えて煮る。
3.アイスクリームメーカーにかける。
1.と2.の順番を逆にするとまた違った味わいになると思います。今回はこの順番で。
<材料>
- イチゴ(あまおう)・・・300g
- グラニュー糖・・・36.8g
- 牛乳(低温殺菌)・・・300ml
- 生クリーム・・・200ml
- 卵黄・・・2個
- グラニュー糖・・・70g
- バニラエクストラクト・・・大さじ2
- フランボワーズ・・・大さじ1
注2)いちごは濾した後の量ですが、砂糖の量を調節すれば、糖度を変えられます。イチゴ1パックで買ってきて重さを量り、比率を調節すると作りやすいです。
注3)この分量でイチゴ含有量23%で作ると、ソルベが少し残ります。
<下ごしらえ>
- イチゴを水で洗い、水気を切る。
- イチゴを半分に切る。
<作り方>
1.イチゴをうらごし器で濾す。
メッシュ粗めのでうらごします。もっと粗いのがよかったけれど、持ってないので力ずくで濾した。
けっこう力が要ります。
イチゴの香りがムンムン。
2.果汁(果肉含む)にグラニュー糖を加えて、強火で沸かす。
果汁が300gあったので、グラニュー糖36.8gを加えて火にかけます。
沸騰させただけなので、総重量はほとんど減っていません。糖度は約20。
ボールに移してアクを取る。
これじゃあコンポートじゃない! って言われても、素人なのでお許しを。
3.コンポートにフランボワーズを加え、冷やしてアイスクリームメーカーにかける。
ソルベはアイスクリームより早く出来上がります。
少し食べてみると、酸っぱ~い! 糖度低すぎ。 こんなの食えない!
冷凍庫に入れて保管しておきます。
4.牛乳と生クリームを鍋に入れて弱火で加熱、沸かして殺菌する。
沸いたら火を止めてバニラエクストラクトを加えます。
5.卵黄にグラニュー糖を加えながら泡立てる。
6.泡立てた卵黄に、牛乳と生クリームを少しずつ加えて混ぜる。
玉子が煮えてしまわないよう、少しずつ混ぜる。
7.鍋に戻してとろみがつくまで弱火で煮る。
ゆっくりかき混ぜながら、ふつうは83度まで温度を上げます。玉子が煮えないよう、絶えず混ぜ続け、5分くらいかけて煮ます。
玉子が多いときはもっと時間をかけて、玉子の臭みを抜くように煮ます。10分、15分は必要です。
8.アングレーズソースを冷やして、アイスクリームメーカーにかける。
9.バニラアイスがある程度固まってきたら、イチゴソルベをくずして混ぜ、アイスクリームメーカーを再び動かす。
150gを量って入れます。
緊張の瞬間。中に溶け込むんじゃないぞ!
あらら、バニラアイスがイチゴ色に染まってしまいました。あれほど溶け込むんじゃないぞと言ったのに。
味?
砂糖が少なすぎて、まずい。な~んにも味がしない。イチゴの香りもしやしない。
しかし、せっかく作ったもの。食べ物は粗末にしてはいけない。こういう場合の対処法があります。下の方に写真を貼ります。
<考えられる失敗した原因>
1.イチゴを濾してから、コンポート、いや液体を加熱した。
2.バニラアイスが十分に固まってないときに、ソルベを混ぜてしまった。
3.アイスクリームの温度(零下)、ソルベの温度(零度?)が違い、ソルベが負けていなくなった。
4.アイスクリームにソルベを混ぜること自体間違っている。
当分、3号はないでしょうが(来年?)、再び挑むとしたら、
・いっそのことイチゴの果肉をつぶして、生のままバニラアイスに混ぜたい。
・冷凍イチゴを混ぜる。
・乾燥イチゴを混ぜる。
・イチゴのコンポートを作って、果肉だけをつぶして混ぜる。
・あきらめる。
振り出しに戻ってしまった。。。
作ったアイスクリームがまずかったら... |
脇役になってもらう。さらに上から濃く煮詰めたフルーツソースをかければおいしくなるよ。 <アイスクリームとよく合うフルーツの煮物の作り方> ・フルーツの煮物 ~ アルコールを飛ばさないと |
思い立った日 |
・イチゴアイスクリーム〔前編〕 ~ ももいちご |
途中で悩む |
・イチゴアイスクリーム〔その後〕 ~ コンポートは作ったけど |
他のイチゴアイス、コンポートの作り方 |
・イチゴコンポート ~ 強火で短時間煮る ・イチゴアイスクリーム〔実践編〕 ~ 頬のゆるむおいしさ 下の記事のいちごコンポートは美味しかった。 ・いちごアイス・ももいちご ~ First of May |
ももいちごの写真を見せていただいた、チョコローズさんのブログ記事 |
数量限定のアイス「ももいちご」 - チョコロスイーツセレクション(So-net blog) |
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悪戦苦闘、ももいちごのアイスにとり憑かれ
気づけばももいちごアイス研究家になってますね。
頑張って~ご紹介した手前、納得の行く完成品ができるまで
諦めないのだろうと思うと、目が離せません。
by チョコローズ (2010-02-27 17:23)
ひやぁ~、あきらめさせないのですね(^^;;
プロの方の助言、いえ、示唆だけでも欲しいのですが、素人が自力でやり通すのは無理かも?
そろそろ豆の季節なので、きれいなそら豆色のアイスにしようかと思っていたけど、もう1回、イチゴに挑戦試走。。。
by deipno (2010-02-28 04:57)