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ブリカマの塩焼き ~ じっくり、こんがり焼く [ブリ]

ブリカマは酒飲みにはたまらない。そのままがっつきたい気持ちを抑え、じっくり、ゆっくりと、そしてこんがりと焼くことで、美味しいって幸せな気持ちを満たせてくれるアテになる。

お酒を飲んで幸せな気持ちになりたかったら、下ごしらえをしっかりすること。これはブリカマに限らず、魚、肉、野菜でも同じ。
素材の持ち味を引き出すなんて、カッコイイこと考えなくても、お酒と材料が両方とも美味しくなってほしいって気持ちだけでいい。

ブリカマはスーパーで安く売っている。こんな美味しいものなのに調理に時間と手間がかかるからと敬遠されがち。


  <材料>
  • ブリカマ
これだけ。ほかには何も要らない。




  <下ごしらえ>
  • ブリカマに塩をしてしばらくおく。
  • ブリから出た水分(ドリップ)を拭き取る。
  • ブリに酒を振りかけてしばらくおく。
  • ブリの水分を拭き取る。
  • オーブンを180度に予熱しておく。
これだけ。何も難しいことはない。


ブリには皮にも身にも両面に塩をする。塩の量は臭みを抜くとともに、下味を付けることができる量。

魚の塩焼きでの、塩の適量はだいたい2%。100gの魚だったら2g量って全体に振るといい。

ブリカマのような脂が多いところは塩は強めがいい。(3%ではかなりしょっぱいよ)
この後、酒に浸けるのでちょっと塩が多いかなってくらい。量って振ったことないので何グラムかは分からない。


出てきた水分をペーパーできれいに拭き取る。今度は酒をふりかける。

この酒でぶりの臭みがさらに抜けるとともに、酒の旨みが加えられる。

魚はよく「霜降り」で臭み抜きをする。お湯をかけてから冷たい水につけて、汚れ(=臭み)を洗い流す。魚のアラやカマには有効かもしれない。(Tips1)
霜降りすると魚の臭み、血を洗い流すことができる。
でも、これを切り身ですると身が割れてしまう。

5分くらいおいたら水分をペーパーできれいに拭き取る。

<作り方>
1.ブリカマをのせて焼く器に薄く油を塗る。

これは鉄のグラタン皿。
バットでもいいし、柄の無いフライパンや陶板、陶器のグラタン皿でもいい。

2.皮を上にしてのせ、オーブンで180度、30分~40分焼く。
オーブンによって温度、時間は変わってくる。小さいのなら180度では表面だけ焦げて中まで火が通らない。
コンベクションオーブンがあるとうまく焼ける。



魚の加熱のし過ぎはダメ。長い時間焼くとパサパサになってまずくなってしまう。途中で様子を見て、表面がこんがりしてたらアルミホイルをかぶせる。

ガスコンロのグリルでは表面があっという間に焼ける。中まで火を通すよう、直火の弱火で焼くと、水分と旨みが流出してしまう。
直火の温度は180度なんてもんじゃない。もっと高い。

オーブンでできるだけ短時間での加熱が、じっくり、ゆっくり焼いていることになる。



魚の皮はこんがり焼くとおいしい。しかし、残念ながらぶりの皮は硬くて食えない。皮だけ油で揚げたらおいしいかもって、いつも思うけどしたことない。



塩だけのシンプルな味付けだけに、養殖と天然の違いがはっきり分かる。

養殖ものなら、酢橘やゆず、レモンなど柑橘果汁が必要。それだけで足りなかったら大根おろしにしょうゆを添えることになる。

天然ものなら余計なもの必要ない。

養殖と天然では下ごしらえ、塩の量は変える。


関連記事
・魚は生臭い? ~ 臭み取りの方法
(魚に振る塩の量ってどれだけなの? の記事)

・まぐろのカマの塩焼き ~ 冷凍でもおいしく食べるには?

・魚の臭みを取る方法② ~ タラの切り身でパスタ

・魚の臭みを取る方法③ ~ 鰯のつみれ
・魚の臭みを取る方法④ ~ 鰯をパスタで

・簡単ブリの照り焼き ~ 漬け込んでから焼く

・ブリ大根① ~ アラを使ってこってり煮
・ブリ大根② ~ 味付けは塩だけ
(お酒は二十歳になってから...ね)



Tips1
Q.霜降りって何のためにするの?
A.魚の臭みを抜くため。

Q.お湯は熱湯をかけるの?
A.魚肉のタンパク質は60度で火が入る。熱湯かけたら火が通ってしまう。ふつ、ふつってするくらいのお湯がいい。

Q.お湯をかけた後、水で洗うのはなぜ?
A.浮かせた臭み(血液などの水分)、汚れを洗い流すと同時に、身に火が通るのを止めるため。

Q.霜降りなんて面倒、したくないけどダメ?
A.しなくていいけど、他に何か臭み抜きを。

Q.霜降りすることで魚はおいしくなるの?
A.その後の調理の仕方にもよる。
霜降りすると魚の表面が固まるため、煮魚なんかの場合、汁が濁らないとう利点もある。


参考になる本
『新版調理と理論 学生版』山崎清子・島田キミエ・渋川祥子・下村道子共著 同文社刊

少し引用します。

臭み抜きの解説ではありませんが、それについては関連記事のリンクを見てください。

-----引用始め-----
...(前略)魚筋肉の主成分であるミオシン区たんぱくは45~50℃で凝固をはじめ、次に筋形質たんぱく質が62℃付近で凝固する。(後略)
P.258
-----引用終わり-----


次は霜降りじゃなく、加熱のによる脱水の解説ですが。

-----引用始め-----
たんぱく質が凝固すると同時に保水性が低下して脱水が起こり、体積は縮小する。(中略)脱水は変性温度付近から多くなり温度が高くなるほど多くなる。(後略)
P.258
-----引用終わり-----

加熱のし過ぎは水分、旨み、栄養まで抜けてしまいおいしくなくなる。中心温度計を持っていれば、いちいち内部の温度を計りながら加熱すると、し過ぎを防げます。

そんなことふつうしないから、


お酒と材料が両方とも美味しくなってほしいって気持ちだけでいい。


きっと美味しく焼けます。

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くぼたん

オーブンなんて高級な機材は、揃えられないよう(泣)

by くぼたん (2011-03-11 08:51) 

deipno

オーブントースターでもできますよ。火加減の調節と同じ。
by deipno (2011-03-14 12:49) 

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