いくら 出始めの筋子を使ってしょうゆ漬け [鮭]
今しか食べられない自家製のいくら。手間はかかるけれど簡単にできるいくら、おいしさはどれだけ根気が続くかにかかっています。
出始めの生筋子は皮が軟らかく、値段は高いですがそれだけの価値があります。秋が深まるにつれ、鮭は川を上り筋子の皮は固くなり、生筋子も安くなっていきます。
手間をかけるほどおいしいのはどんな食べ物でも同じですが、筋子をつぶさないようにほぐすのは、なかなか難しい。ほぐれなくてつい、お湯でやってしまいがち。お湯でやると出来上がりのいくらは固くなり、生臭くなる傾向にあります。
簡単に言ってしまうと
もちろん上の表になると言い切れません。筋子の状態や作り方にも左右されますので、そうなりやすいと思ってください。
それでは最も手のかかる水でやってみましょう。でも、冷水で生筋子をほぐすことはできません。水にぬるま湯を少し足します。
1.生筋子は、まず軽く塩を振って水分を抜く。ざるにのせて塩を振ったら、冷蔵庫へ入れてしばらくおく。
2.「ぬるま湯」を沸かす。このぬるま湯でほぐすのではありません。指で触ってもぬるいくらいの温度。
3.ボールに水と水分を抜いた生筋子を入れる。塩を少し振って、丁寧にほぐしていきます。水ではとてもほぐれないので、ここへ「ぬるま湯」を少し足します。どれだけ足すかは、どれだけ頑張れるかによって、量は少ない。
今回は2回かけただけ。ほぐしている時の手の温度でも水が温まります。
ほぐし方は手で左右、前後に振る感じ。決して指で粒をもぎ取らない。筋子を守っている皮は最初は強靭で固いです。振り動かしているうちに、だんだんと白く、軟らかくなっていきます。やさしくやさしく振り動かし続けると、明るい先が見えてくる時が分かるはず。固い皮が破けるような感触になる。でも、破かない方がいい。皮を破ると後で苦労します。最後の方は皮がひも状になってきますが、皮の間にいくらが絡まって取れなくなります。皮のついたいくらは生臭くおいしくありません。
残りわずかになったら、皮にいくらが絡まったものばかりになります。そうしたら、ぬるま湯の方へ入れてほぐす。その頃はもうぬるま湯ではなく、ぬるい水になっているはず。もう少し、頑張りましょう!
4.ほぐしたら、ゴミを取り除きます。
私はこんなコランダーを使っています。ざるより穴が大きくて、いくらの粒より少し小さい穴で、一粒一粒が穴に挟まり下へ落ちず、ゴミだけ下に落ちるんです。ボールの上にコランダーをのせてほぐすとやりやすいですよ。中には穴から落ちてしまういくらもいますが、救出してあげればいい。
きれいな水に塩を少し振って洗います。つぶれた殻や皮を丁寧に外します。これをきれいになるまで繰り返す。どうして塩を振るかは、あまり水に浸けたくないのと、生臭くしないため、日持ちをよくするためでもあります。塩はほんのひとつまみで十分。いくらを洗うボールともう1個水を張ったボールを用意するとやりやすいです。
コランダーの上で指で丁寧にいくらを揺すって、ゴミを穴から出していきます。穴から落ちない大きなものは直接取って、もう1個のボールの方へ。洗っているボールの方の水は何度か取り替える。
洗うのに使ったボール。いくらは落ちていません。
5.ざるにあげて水分を切る。ここで気を抜いて、すぐに漬け汁に放り込まないこと!ここまで頑張ったんですからあと2、3時間待つ。水気を切るのには冷蔵庫へ入れてください。清潔な布巾やクッキングペーパーなんかをひいて、1時間位したら取り替えても。
6.待つ間に漬け汁を作る。漬け汁は酒とみりんとしょうゆの配合を変えれば、しょうゆの味を濃くも薄くもできますが、1対1対1であとは好きなようにしてください。だし汁を加えたり、酒としょうゆだけにしたり、焼酎で漬けたり、ワインと塩にしたり、味付けは無限にあると思います。しょうゆだけ、塩だけで塩漬けという手も有り。
今回は焼酎、泡盛とみりん、たまりしょうゆで漬けてみます。たまりしょうゆはコクと甘みがあるので、
泡盛1 + みりん0.5 + たまりしょうゆ1
小鍋に入れて沸かして煮切って、冷ましておきます。完全に冷まさないといくらが煮えるので、ボールに移して氷水なんかで冷やしておくといいでしょう。
7.筋子を容器に移して、漬け汁をひたひたに浸し冷蔵庫で保存。翌日から3、4日、1週間でも、漬け汁の配合によって日持ちは違う。最も持つのは塩だけ。この場合は食べる時に水に漬けて塩抜きしてから、しょうゆなどを垂らして食べる。
すぐに食べきってしまうなら、2日くらい漬け汁に浸しておいて、漬け汁を捨ててもう1日冷蔵庫へ入れておく。漬け汁に漬けたままにしておかないと、日持ちは悪くなりますが、漬けたままではおいしくありません。漬物だって漬けたままにはしてきませんよね。
何か他の料理のトッピングとして使いたくて、冷凍保存しておきたい時は、漬け汁に漬かった状態のまま、小さいビニールなんかに1回分ずつ小分けして冷凍する。大量に作った時はそうすると便利です。
お勧めのホーローコランダー。手付きが便利です。いくらのために持っているのではありませんが、野菜を洗って水切りや、パスタの水切りなど手放せないものとなっています。穴が大きめなので水切りが早いですが、そのぶん、パスタの細いのなんかは飛び出ることもあります。あと、ホーローは傷や錆がでます。油を塗ったり手入れが必要ですが、ホーローは何より洗いやすく清潔で匂いがうつらない、野菜など食べ物に金気がうつらない。傷は私は気にしません、錆もぜんぜん。愛着が湧きます。以前は、野田琺瑯のコランダーを使っていました。ついうっかり高い所から落として、割ってしまいました。手付きが便利で買い換えましたが、これもお勧めです。もちろん、いくらにも使っていました。丁度穴から殻やカスが出て、いくらは穴に挟まり、作業がしやすかった。このコランダーは足が大きいので、いくらで使うなら、かなり大きなボールが必要です。
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出始めの生筋子は皮が軟らかく、値段は高いですがそれだけの価値があります。秋が深まるにつれ、鮭は川を上り筋子の皮は固くなり、生筋子も安くなっていきます。
手間をかけるほどおいしいのはどんな食べ物でも同じですが、筋子をつぶさないようにほぐすのは、なかなか難しい。ほぐれなくてつい、お湯でやってしまいがち。お湯でやると出来上がりのいくらは固くなり、生臭くなる傾向にあります。
簡単に言ってしまうと
水 | ぬるま湯 | お湯 | |
ほぐれ | ほぐしにくい | ほぐしやすい | 簡単 |
生臭み | 臭くない | 臭くならない | 臭くなる |
皮 | 軟らかい | 固くならない | 固くなる |
手間 | 大変 | 作りやすい | 簡単 |
それでは最も手のかかる水でやってみましょう。でも、冷水で生筋子をほぐすことはできません。水にぬるま湯を少し足します。
1.生筋子は、まず軽く塩を振って水分を抜く。ざるにのせて塩を振ったら、冷蔵庫へ入れてしばらくおく。
2.「ぬるま湯」を沸かす。このぬるま湯でほぐすのではありません。指で触ってもぬるいくらいの温度。
3.ボールに水と水分を抜いた生筋子を入れる。塩を少し振って、丁寧にほぐしていきます。水ではとてもほぐれないので、ここへ「ぬるま湯」を少し足します。どれだけ足すかは、どれだけ頑張れるかによって、量は少ない。
今回は2回かけただけ。ほぐしている時の手の温度でも水が温まります。
ほぐし方は手で左右、前後に振る感じ。決して指で粒をもぎ取らない。筋子を守っている皮は最初は強靭で固いです。振り動かしているうちに、だんだんと白く、軟らかくなっていきます。やさしくやさしく振り動かし続けると、明るい先が見えてくる時が分かるはず。固い皮が破けるような感触になる。でも、破かない方がいい。皮を破ると後で苦労します。最後の方は皮がひも状になってきますが、皮の間にいくらが絡まって取れなくなります。皮のついたいくらは生臭くおいしくありません。
残りわずかになったら、皮にいくらが絡まったものばかりになります。そうしたら、ぬるま湯の方へ入れてほぐす。その頃はもうぬるま湯ではなく、ぬるい水になっているはず。もう少し、頑張りましょう!
4.ほぐしたら、ゴミを取り除きます。
私はこんなコランダーを使っています。ざるより穴が大きくて、いくらの粒より少し小さい穴で、一粒一粒が穴に挟まり下へ落ちず、ゴミだけ下に落ちるんです。ボールの上にコランダーをのせてほぐすとやりやすいですよ。中には穴から落ちてしまういくらもいますが、救出してあげればいい。
きれいな水に塩を少し振って洗います。つぶれた殻や皮を丁寧に外します。これをきれいになるまで繰り返す。どうして塩を振るかは、あまり水に浸けたくないのと、生臭くしないため、日持ちをよくするためでもあります。塩はほんのひとつまみで十分。いくらを洗うボールともう1個水を張ったボールを用意するとやりやすいです。
コランダーの上で指で丁寧にいくらを揺すって、ゴミを穴から出していきます。穴から落ちない大きなものは直接取って、もう1個のボールの方へ。洗っているボールの方の水は何度か取り替える。
洗うのに使ったボール。いくらは落ちていません。
5.ざるにあげて水分を切る。ここで気を抜いて、すぐに漬け汁に放り込まないこと!ここまで頑張ったんですからあと2、3時間待つ。水気を切るのには冷蔵庫へ入れてください。清潔な布巾やクッキングペーパーなんかをひいて、1時間位したら取り替えても。
6.待つ間に漬け汁を作る。漬け汁は酒とみりんとしょうゆの配合を変えれば、しょうゆの味を濃くも薄くもできますが、1対1対1であとは好きなようにしてください。だし汁を加えたり、酒としょうゆだけにしたり、焼酎で漬けたり、ワインと塩にしたり、味付けは無限にあると思います。しょうゆだけ、塩だけで塩漬けという手も有り。
今回は焼酎、泡盛とみりん、たまりしょうゆで漬けてみます。たまりしょうゆはコクと甘みがあるので、
泡盛1 + みりん0.5 + たまりしょうゆ1
小鍋に入れて沸かして煮切って、冷ましておきます。完全に冷まさないといくらが煮えるので、ボールに移して氷水なんかで冷やしておくといいでしょう。
7.筋子を容器に移して、漬け汁をひたひたに浸し冷蔵庫で保存。翌日から3、4日、1週間でも、漬け汁の配合によって日持ちは違う。最も持つのは塩だけ。この場合は食べる時に水に漬けて塩抜きしてから、しょうゆなどを垂らして食べる。
すぐに食べきってしまうなら、2日くらい漬け汁に浸しておいて、漬け汁を捨ててもう1日冷蔵庫へ入れておく。漬け汁に漬けたままにしておかないと、日持ちは悪くなりますが、漬けたままではおいしくありません。漬物だって漬けたままにはしてきませんよね。
何か他の料理のトッピングとして使いたくて、冷凍保存しておきたい時は、漬け汁に漬かった状態のまま、小さいビニールなんかに1回分ずつ小分けして冷凍する。大量に作った時はそうすると便利です。
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